兼業投資家の「milk。」です!
回転寿司店を運営する くら寿司【2695】の企業分析を行います。
決算内容や株式チャートをもとに株式投資に必要な情報を整理していきます。
この記事では、くら寿司【2695】へ株式投資を検討している人へ参考となる情報を提供します。
くら寿司へ行ってみると、家族連れ等でお店は常に混み合っています。
お皿を一定数入れると、ガチャガチャの景品が獲得できる仕組みなどのお客様を楽しませる工夫があることから、お店が繁盛していると思います。
そこで、今回は「くら寿司」の企業内容や財務内容、株式チャートの情報をもとに投資判断に必要な情報をまとめていきたいと思います。
学べること
・くら寿司【2695】の企業業績や財務内容を知ることができる
・株式チャートから株価の位置関係を把握できる
ではさっそく、くら寿司【2965】について見ていきましょう!!
企業概要
ロードサイド型の回転寿司店「くら寿司」を運営している会社は、くら寿司株式会社です。
大阪府堺市に本社を置き、連結の社員数は1,690人にもなります。
昭和52年、大阪府堺市に一般的な寿司屋として開店し、今日では国内外を含め453店舗まで拡大。
普通の回転寿司と異なり、ガチャガチャを楽しみながら食事を楽しむことができます。小さな子供のいる家族には、嬉しいサービスだと言えます。
また、くら寿司の企業理念には「安心・美味しい・安い」というコンセプトがあります。
これは、創業当初から全ての食材に化学調味料などを一切使用しておらず、お客様の立場に立って「食」の提供を行っている同社の姿勢です。
いずれにしても、子供連れの家族層にとっては嬉しいものばかりです。
株主優待
くら寿司の株主優待は、「食事券」となっています。
保有する株式数に応じて、獲得できる食事券の金額が下図のように変わってきます。
また、200株以上を保有する株主で「食事券」を好まない方は「株主優待品」を選ぶこともできます。
2019年4月30日時点の「株主優待品」は以下の通りになっています。
くら寿司の食事券は、「くら寿司」を頻繁に利用される方には嬉しい株主優待ですね。
200株保有していれば、家族で食事に行っても1回分の食事を安く済ますことができます。
また、「株主優待品」も美味しそうな品が揃っているため、株主になった場合は、その年毎に「食事券」か「株主優待品」を選ぶ楽しみもあります。
配当金
くら寿司は「株主優待」の他に配当金も出しています。
2018年10期の配当金は、1株あたり30円でした。100株保有している場合は、3,000円の配当金を獲得することができました。
2019年10月11日の株価4,445円(終値)から計算すると、配当利回り0.67%。配当利回りは高いとは言えない水準です。
配当金と株主優待の還元率
【100株を保有している場合】
配当金3,000円+株主優待2,500円(食事券)= 5,500円
株主還元5,500円 ÷ 444,500円×100=1.23%
※2019年10月11日の株価4,445円(終値)×100株=444,500円
配当金と株主優待を合わせた還元率1.23%で見れば、銀行預金0.001%よりは良く見えますね。
財務内容
2018年10月期決算をもとにくら寿司の財務内容を紐解いていきましょう。
売上高
直近期の第23期売上高1,324億円。第20期売上高1,053億円から毎期増収しており、3年ほどで売上高は約1.3倍増加しています。
これまで売上高が堅調に増加してきた要因は、店舗数の増加にあるでしょう。
国内外で467店舗もの店舗展開を行っており、今後も店舗数は増加を見込むことができるため、売上高の増加にも期待ができます。
ただし、国内マーケットでは出店数が増えた一方で、今後の拡大余地は小さくなりました。更なる売上高増加には、海外展開が重要になってくるでしょう。
経常利益
直近の第23期経常利益76億円。第20期経常利益64億円から約1.2倍となっています。
売上に対する経常利益率5.77%と利益率は低いですが、外食業という業界を考慮すれば妥当かもしれません。
仕入、人件費、家賃等を支払い、その他金融費用(支払利息)を差し引いた経常利益で継続した利益を確保していることから、事業の収益性が安定していることが伺えます。
自己資本比率
第23期自己資本比率66.3%と財務内容は非常に安定しています。
固定負債は55億円のみであり、自己資本392億円、流動資産199億円を保有しており、資金繰りが圧迫されてすぐに倒産することは考えにくいでしょう。
財務内容のまとめ
収益面では毎期増収増益をしており、利益率が低いとは言え安定した利益を確保している。
自己資本比率も高位であり、財務内容に問題はないため、現時点での倒産可能性はかなり低いと言えます。
株式投資をして白紙になる可能性はかなり低いですが、すでに国内マーケットでの展開に限界が見えており、急激な企業成長、業容拡大は期待できないかもしれません。
そのため、株価は安定推移しても、株価急騰はあまり期待できないと考えることができます。
株価チャート
株価チャートからは、2018年6月頃の株価8,000円台から大きく右肩下がりに下落していることが分かります。
ほぼ半値の株価4,000円辺りまで株価は下落してきています。
最近では、株価が持ち直していますが、大きなトレンドでは下落と見る方が無難でしょう。
まとめ
くら寿司の株式は、「くら寿司」を頻繁に利用する人にとっては、「株主優待」で食事券が貰える上、配当金も獲得するできるため、良いかもしれませんね。
財務内容も健全性が高いため倒産を懸念する必要がないため、長期保有が可能でしょう。
ただし、収益性が低いこと、国内マーケットが飽和しつつあることを考えると、株価の大きな上昇はあまり期待できないため、株価の値上がり益を狙う人には向かない銘柄と言えます。
株価は、2018年6月と比べて半値まで下がっており、PER17.1倍(2019年10月11日、株価4,445円にて算出)を考慮すれば、割安感も出てきており、下値余地は小さくなっていると言えます。
長期保有を検討している人には、良い株価水準かもしれませんね。
投資は自己責任となりますが、当記事が多くの投資家の参考になればと願っております。