JT(日本たばこ産業)【2914】の配当は!?株主優待や配当金、株価チャートについて徹底分析!!

 

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・たばこ販売を行なっているJT(日本たばこ産業)【2914】の配当金はどれくらい?株主優待は何!?

株主優待や決算内容、株式チャートをもとに株式投資に必要な情報を整理していきます

 

この記事では、「JT(日本たばこ産業)【2914】の株式は配当利回りが高いから投資してみたい!!」と考えている方に向けて、JT(日本たばこ産業)の株主優待や財務内容、株式チャートの情報をもとに投資判断に必要な情報をまとめていきたいと思います。

 

学べること

・JT(日本たばこ産業)【2914】の企業内容や配当利回り、株主優待、財務内容について知ることができる

・株価チャートから株価の位置関係を把握できる

 

ではさっそく、JT(日本たばこ産業)【2914】について見ていきましょう!!

 

JTの企業内容

 

「JT」の正式名称な社名は「日本たばこ産業株式会社」です。皆さんもよく知っている「たばこ」を取り扱っている企業ですが、実は「たばこ」だけの会社ではありません。

 

JT(日本たばこ産業)の主な事業内容は以下の3つ。

①たばこ事業

②医薬事業

③加工食品事業

 

JT(日本たばこ産業)は「たばこの会社」というイメージが強いですが、実は医薬事業や加工食品事業にも事業領域を広げています。

医薬事業の出発は1987年。30年以上も前から医薬分野に携わり、抗ウィルス剤の開発に取り組んでいます。また、血液透析や皮膚疾患の薬品を取り扱う鳥居薬品(株)【東証一部上場企業】をグループ会社として抱えています。

加工食品事業では、事業ごとにグループ内の企業で食品製造を行なっています。冷凍食品を中心に取り扱うをテーブルマーク(株)のほか、調味料事業では富士食品工業(株)、ベーカリー事業ではベーカリーショップ「サンジェルマン」などを展開しています。

JT(日本たばこ産業)が「たばこ」だけの企業ではないことがお分かり頂けたと思いますが、やはり売上規模で見てみると、医薬事業や加工食品事業は、たばこ事業と比べて売上割合が小さくなります。

 

配当金

 

配当金は、2018年度の実績をもとに見ていきましょう。

2018年度配当実績

2018年6月・12月配当金:各75円/1株

【年間配当金】150円/1株

2018年12月28日:株価2,616.5円(終値)

年間配当金150円÷株価2,616.5円=5.7%

 

2018年度の配当実績と年末株価で配当利回りを算出した場合、配当利回り5.7%となります。

ただし、JT(日本たばこ産業)の配当金は年々上昇しており、2012年の年間配当金68円/1株と比べて、2018年の年間配当金150円/1株と約2.2倍になっています。

(日本たばこ(株)HP:配当情報)

また、配当金が上昇する一方で、JT(日本たばこ産業)の株価は下落しており、配当利回りは上昇する傾向にあります。貰える配当金は増えるのに、株価が下がって安く株式を買うことができる状況になっているのです。

2019年6月の配当金は、77円/1株となっているため、2019年12月の配当金も同額となることが予想され、年間配当金は154円/1株と前年比+4円を期待できます。

 

2019年度配当予想

2018年6月・12月配当金:各77円/1株

【年間配当金】154円/1株

2019年11月5日:株価2,443円(終値)

年間配当金154円÷株価2,443円=6.3%

 

2019年度の配当予想と現時点の株価から配当利回りを算出すると、配当利回り6.3%となります。

2018年度の配当実績と比べて、①株価が安くなっている②配当金が増えているため、配当利回りが上昇しています。

 

 

株主優待

 

(日本たばこ(株)HP:株主優待)

 

JT(日本たばこ産業)の株主優待は、上図のように保有株式数に応じて、貰える優待品が変わります。

ご飯やカップ麺、さぬきうどん、ラスクの詰め合わせといった、食品を優待品として貰えます。

また、株主優待に代えて「災害復興支援に対する寄付」を行うこともできます。

 

株主優待の還元率

【A】・・・還元率0.4%

株主優待:1,000円分(必要株式数100株)

投資額:244,300円=株価2,443円×100株

還元率:0.4%=株主優待1,000円÷投資額244,300円×100

【B】・・・還元率0.4%

株主優待:2,000円分(必要株式数200株)

投資額:488,600円=株価2,443円×200株

還元率:0.4%=株主優待2,000円÷投資額488,600円×100

【C】・・・還元率0.12%

株主優待:3,000円分(必要株式数1,000株)

投資額:2,443,000円=株価2,443円×1,000株

還元率:0.12%=株主優待3,000円÷投資額2,443,000円×100

【D】・・・還元率0.12%

株主優待:6,000円分(必要株式数2,000株)

投資額:4,886,000円=株価2,443円×2,000株

還元率:0.12%=株主優待6,000円÷投資額4,886,000円×100

※株価は、2019年11月5日:株価2,443円(終値)を用いています。

 

株主優待の還元率は、上記の通りです。

【A】【B】は、必要株式数が100株、200株と少額投資であり、還元率はともに0.4%となっています。

【C】【D】は、必要株式数が1,000株、2,000株と投資額も数百万円規模となるため、投資額も大きくなる一方で、株主優待の還元率は0.12%と【A】【B】の還元率0.4%と比べて低くなっています。

 

配当金と株主優待の総還元率

 

配当金と株主優待の総還元率(2018年実績値)

【配当利回り】・・・5.7%

2018年12月28日:株価2,616.5円(終値)

配当利回り5.7%=年間配当金150円÷株価2,616.5円

【株主優待】・・・0.38%

投資額:261,650円=株価2,616.5円×100株

還元率0.38%=株主優待1,000円÷投資額261,650円×100

【総還元率】・・・6.08%

総還元率6.08%=配当利回り5.7%+還元率0.38%

 

2018年の配当金、株主優待の実績値から算出すると、総還元率6.08%となります。

総還元率6.08%は、100株のみ保有した場合で算出しているため、300株以上を保有している場合は、更に総還元率が下がります。

株主優待の還元率は1%以下と低いですが、配当利回りが6%弱あるため、総還元率6.08%で見ても、JT(日本たばこ産業)は高配当銘柄と言えるでしょう。

 

 

財務内容

 

(日本たばこ(株)HP:業績報告書・決算通信)

 

JT(日本たばこ産業)の財務内容を2018年度の決算内容をもとに見ていきましょう。

 

売上高

 

2018年度、売上高221億6,000万円(前期比+7億6,300万円)と増収となっていますが、2014年度の売上高225億9,200万円と比べると4億3,200万円の減収となっています。

ここ数年間の売上高のトレンドは、数億円の上下はあるものの、「横ばい推移」といって良いでしょう。

「禁煙」が叫ばれる世の中で、売上高が横ばい推移を確保できるのは驚くべきことです。

そして、売上高の構成を見てみると、海外たばこ事業が売上高の約60%を占めています。「日本たばこ産業」という社名から日本でのたばこ売上がメインと思いがちですが、実は海外たばこ事業が主力事業であることが分かります。

医薬事業は、2014年度の売上高6億5,800万円から、2018年度には売上高11億4,000万円まで約1.7倍も増加しています。医薬事業の売上高は、全体売上高の5%程度ですが、今後も成長が期待できます。

加工食品事業は、2018年度売上高16億1,400万円(前期比▲1,700万円)と減収ですが、2014年度売上高16億1,200万円と比べて、大きな変動はなく、横ばい推移となっています。同事業についても全体売上高に占める割合は約7%となっています。

 

営業利益

 

2018年度、営業利益56億5,000万円(前期比+3,900万円)と増益です。2014年度の営業利益57億2,600万円と比べると横ばいで推移していることが分かります。

また、2014年度における医薬事業売上高▲7,300万円、加工食品事業売上高▲1,200万円と両事業ともに赤字になっています。しかし、2018年度には、医薬事業売上高2億6,300万円、加工食品事業2,900万円の営業利益を計上し、黒字化に成功しています。

本業のたばこ事業は、横ばい推移を確保しつつも、医薬事業、加工食品事業の収益力を改善していることに好感が持てます。

 

自己資本比率

 

(日本たばこ(株)HP:業績報告書・決算通信)

 

2019年6月時点、自己資本比率49.8%。負債合計2兆7,412億円に対して、資産合計5兆4,672億円と資産超過であることが分かります。また、すぐに現金化できる流動資産1兆8,630万円あるため、何かあってもすぐに経営が立ち行かなくなる心配はないでしょう。

以上から、JT(日本たばこ産業)の財務内容は健全性が高いと言えるでしょう。投資する上では、そこまで倒産のリスクを考慮する必要はなさそうです。

 

財務内容のまとめ

 

2018年度、売上高221億6,000万円、営業利益56億5,000万円、自己資本比率49.8%。

世の中で「禁煙」が叫ばれるなか、ここ数年の売上高、営業利益は横ばい推移を確保しています。

また、本業ではない医薬事業と加工食品事業において、堅調に収益力を付け、黒字化してきました。

販売力、収益力、健全性を全体的にみて、JT(日本たばこ産業)の財務内容は良好だと言えるでしょう。倒産のリスクもかなり低いと言えます。

すでに企業規模が大きくなっている同社は、急激な成長による株価急騰は期待できませんが、安定した売上高、利益を確保している間は、投資対象として選ぶことに問題はなさそうです。

 

株価チャート

 

 

JT(日本たばこ産業)の株価チャートは上図の通りです。

まずは、5年チャートを見てみると、2014年4月頃の株価4,750円付近から現在に至るまで下落トレンドが継続していることが分かります。同社の株価トレンドは長期的に見て下落トレンドにあることが把握できると思います。

次に、6ヶ月チャートから短期トレンドを確認してみましょう。2019年9月4日の株価2,179円(安値)を付けて以降は、下落トレンドから一転して上昇トレンドに転じていることが分かります。2019年11月の初旬までの2ヶ月間で10%以上の株価上昇となっています。つまり、短期的には上昇トレンドにあります。

JT(日本たばこ産業)の株価トレンドは、長期的には下落トレンドですが、短期的には上昇トレンドとなっていることを認識しておきましょう。

 

まとめ

 

JT(日本たばこ産業)の決算は、2018年度、売上高221億6,000万円、営業利益56億5,000万円、自己資本比率49.8%。「喫煙」「たばこ」に対して逆風が強まるなか、売上高、営業利益は横ばいを確保しています。また、本業ではない医薬事業と加工食品事業でも黒字を確保しています。同社の販売力や収益力に問題はないと言えます。自己資本比率49.8%であり、負債規模も財務的に懸念はなく、健全性も良好でしょう。

同社の株価位置は、長期的に見て安値圏にあり、短期的に見ても底値から10%程度上昇した位置にあります。相場的には過熱感もなく、特段の事象がなければ急落することは考えにくいでしょう。

そして、同社の配当利回り5.7%、株主優待還元率0.38%を合わせた総還元率6.08%と十分なインカムゲインがあります。高配当銘柄と呼ぶに相応しいでしょう。

財務内容や株価チャートから見るなかで、2倍、3倍といった大きな株価上昇(インカムゲイン)は期待できませんが、年間6%以上の配当金、株主優待(インカムゲイン)を得ることができるため、投資対象としては優秀な銘柄と言えるでしょう。

株価が割安だと思えるタイミングで、長期保有を目的に投資してみたら面白いでしょう。

 

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