テレビのCMでもよく見かけるスマホゲームの「モンスターストライク」略して…「モンスト」
実は、このゲームを開発、運営しているのは、SNSで一時期流行した”ミクシィ(mixi)”だと知っていますか!?
そして、ミクシィ社の株価が「モンスト」をきっかけに、約1年で30倍になったことを知っていますか?
「モンスト」の人気化により、株価が30倍になった経緯について解説していきます!!
Contents
ミクシィ社の株価推移
2013年9月27日、「モンスト」配信開始。
2013年9月(終値):240円
2014年11月(高値):6,970円
と一度天井を付け、下落するものの、約2年半をかけて…
2017年6月(高値):7,300円
2度目の天井を付けて、その後は下落トレンドへ。
現在は2,700円前後で株価は推移。
最初の大きな上昇は、「モンスト」が配信され、順調にダウンロード数を伸ばし、人気化したことが要因です(売上、利益の大幅増)。
普通ならば、この大きな上昇によってその後は株価が軟調になるのが普通です。
「パズドラ」を運営するガンホー社は、一度の大きな株価上昇後は下落トレンドでした。
ミクシィ社の2度目の株価上昇要因は!?
ミクシィ社には2度目の大きな上昇があります!
この要因は… ”自己株式の取得” です!!
では、この時期に何が起こっていたのか見ていきましょう。
2度目の上昇が始まったのは、2016年11月頃。
この時、ミクシィ社による”自己株式の取得”が開始されました。
”自社株式の取得”とは、市場に出回っている自分の会社の株式を、会社自身で買い戻すことです。
これにより、世の中に流通している株式数が減少することになり、1株あたりの価値が上昇するため、ミクシィ社の株式を保有する投資家にとっては有益なものとなります。
自己株式の取得が実施されたのは、以下の期間です。
期間:平成28年11月10日〜平成29年3月末
結果として、平成29年3月24日までミクシィ社は自己株式を取得しました。
その金額は、なんと…約100億円!!!
たった4ヶ月で100億円分のミクシィ社の株式を購入すれば、株価が上昇するのも分かります。
実際の株価推移見てみると…
平成28年11月11日(終値):3,560円
平成29年3月24日(終値):5,060円
なんと、4ヶ月で1,500円も株価が上昇しています!!
上昇率は約40%となるので、平成28年11月11日にミクシィ社の株式へ投資して、平成29年3月24日に売却したとすれば、資産は約1.4倍となっている計算となります。
そして、平成29年5月10日にミクシィ社から発表されたのが…
「平成29年5月11日〜9月末までに、約100億円分の自己株式を取得する」
という内容でした。
投資家たちにとっては、「おいおい、また100億円分も自分の会社の株を買うのか!!」という展開になり、さらに株価は上昇することになります。
しかし、市場の過熱感もあり、6月中旬には株価は反落を始めます。
その後も自己株式の取得は継続されますが、株価の下落は止まることはなく下げていきます。
1度目の自己株式取得では、株価は上昇を続けましたが、2度目の自己株式取得では取得期間中でありながらも、株価は下落に転じました。
なぜでしょうか?
理由は簡単で、「利益確定する人たち」がいるからです。
株価が上昇すれば儲かる人たちが出てきます。その人たちは、「この辺で利益を確定しておくか!」と保有する株式を売却する動きをします。
すると、株式を売る人が多くなり、株価は一転して下落へ転じていきます。
これが相場の難しいところで、いつ下落に転じるかは誰にも分からないということです。
相場に過熱感が増してきたときは、下落が近づいていることを意識した方が良いでしょう。
そして、ミクシィ社の2度目の株価上昇で学ぶべきことは…
”自己株式の取得”は、株価を上昇させる要因であることです!!
「モンスト」のダウンロード数の推移
次に、「モンスト」のダウンロード数の推移について確認してみましょう!
2013年9月27日 「モンスト」配信開始
2013年12月29日 100万ダウンロード達成
2014年2月15日 300万ダンロード達成
2014年4月4日 500万ダウンロード達成
2014年5月17日 700万ダウンロード達成
2014年7月19日 1,000万ダウンロード達成
2014年10月27日 1,500万ダウンロード達成
ミクシィ社の本格的な株価上昇を始めたのは、2014年2月下旬なので、300万ダウンロードを達成した頃となります。
そこから、2014年11月初旬に株価は1度目の天井である6,970円まで急騰していきます。
この時は、ちょうど1,500万ダウンロードを達成してすぐの時期になります。
決算内容
ミクシィ社の決算内容も確認していきます!
(引用:ミクシィ(株)公式HP IRニュースより)
「2014年3月期」と「2016年3月期」の決算内容を比較してみましょう。
2014/3 2016/3
売上高: 121億円 → 2,087億円
純利益: 2億円(赤字) → 610億円
売上高は約17倍!!
純利益は、赤字から一転、600億円以上の純利益を計上!!!
たった2年で大逆転の成長ぶりですね。
ただし、2018年3月期になると、売上高や純利益の減少が明確になっています。
スマホゲームも流行り廃りがあるもので、「パズドラ」のガンホーと同様に売上高を継続していくのは難しいのが分かります。
2019年3月期決算から考える「モンスト」とミクシィ社への投資
2019年5月10日、株式会社ミクシィの2019年3月期の通期決算が発表されました。
決算内容は以下の通りです。
純利益:265億円(前期比ー36.5%)
売上高が、2018年3月期と比べて、ー23.8%と大幅に減少しているのが分かります。
また、営業利益、純利益ともに35%超の減少となっており、収益力の低下も明確となっています。
「モンスト」が配信されてから、すでに5年以上が経過しているため、ゲームから離れてしまう人も増えるのは当然です。
今回の決算発表からも、「モンスト離れ」が鮮明に見えます。
また、ミクシィ社も翌期の決算予想では、売上高の着地を1,000億円としており、「モンスト」の収益力減少も予想の範囲内としています。
2019年3月期決算の内容から考察すると、ミクシィ社への投資は控えるべきでしょう。
収益の柱である「モンスト」の収益力が減少傾向にある中、当社の株式へ投資する理由はありません。
他に人気ゲームの発表や、新サービスの発表された際は、投資を検討しても良いかもしれませんが、現状はポジティブな要因が見当たりません。
したがって、現在のミクシィ社への投資はオススメできません。
まとめ
今では人気ゲームとなった「モンスト」ですが、その人気化の裏では「ミクシィ社の株価急騰劇」があったことを知ってもらえたでしょうか?
もちろん、この時にミクシィ社へ投資していれば億万長者になれていたかもしれませんね。
350万円を投資ていれば… 350万円×30倍=1億500万円
投資では、こんなに単純にはいきまんせんが、世の中で「人気」となるものを見つけた場合は、その会社の株式へ投資してみたら面白いことになるかもしれませんね。
今回のキーワードは…”自己株式の取得”です!!
株価上昇の要因になるので、自己株式の取得をしている会社を見つけたら投資を検討してみもいいかもしれません。
もちろん、取得額の規模も重要になるので、そのあたりはチェックしておきましょう。