2018年11月19日に、カルロス・ゴーン元会長が金融商品取引法違反によって逮捕されてから半年が経過し、2018年通期決算発表を終えた日産自動車。

決算内容は利益が大幅に減少し、収益状況が厳しい状況が分かります。

その一方で、配当利回り7%以上の高配当銘柄となっています。

今回は、日産自動車へ株式投資すべきかどうか?

現在の決算内容や企業の将来性から徹底考察していきたいと思います。

日産自動車の決算内容は厳しい状況

まずは、2019年5月14日に発表された日産自動車の通期決算内容について見ていきましょう。

 

2018年通期決算

売上高:11兆5,742億円(前期比−3.2%)

営業利益:3,182億円(前期比 −44.6%)

純利益:3,191億円(前期比−57.3%)

 

今回の決算内容からは、営業利益、純利益が大幅に減少していることが分かります。

利益の大幅減少の要因は、為替変動の影響や欧州を中心とした環境規制厳格化への対応コスト、原材料の高騰です。

営業利益がー44.6%となっていますが、売上高はー3.2%と、車の売れ行きは軽微な減少に留まっています。

売上高の減少については、次の決算説明資料を見て見ましょう。

 

(引用:日産自動車HP 決算発表)

 

売上高の減少は、北米、欧州での自動車販売台数減少が主な原因となっているのが分かります。

日本や中国ので販売台数は増加傾向ですが、北米、欧州での販売台数が足を引っ張る形となり、全体的な販売台数はー4.4%となっています。

今後の北米や欧州での販売動向に注視していく必要がありそうです。

 

日産自動車の配当利回りは7%以上?高配当銘柄!?

 

配当利回り7%以上となっている日産自動車の配当金について見ていきます。

 

2018年の配当金(1株あたり配当金)
3月:28.5円
9月:28.5円1年間の配当金は、1株あたり配当金は57円。

 

2019年5月24日時点の株価740.6円から計算すると、配当利回りは7.0%となっています。

配当利回りが7%ともなれば「高配当銘柄」と呼ぶに相応しいでしょう。

ここで気になるのは、他の自動車メーカーの「配当利回り」です。

自動車メーカーの王者「トヨタ自動車」やその他の自動車メーカーの「配当利回り」も比較して見ましょう。

 

自動車メーカーの配当利回りを比較
日産自動車
【配当利回り】7.0%
【株価】740.6円
【1株あたり配当金】57円
トヨタ自動車
【配当利回り】3.3%
【株価】6,502円
【1株あたり配当金】220円
ホンダ技研工業
【配当利回り】4.0%
【株価】2,790円
【1株あたり配当金】111円
ダイハツディーゼル
【配当利回り】4.5%
【株価】660円
【1株あたり配当金】 30円
スズキ
【配当利回り】1.4%
【株価】5,276円
【1株あたり配当金】74円
※株価は、2019年5月24日終値基準。1株あたり配当金は、2018年3月期配当実績基準。

 

「スズキ」の1.4%を除けば、自動車メーカーは全体的に3%以上の利回りがあり、比較的高い利回りを確保できそうです。

王者「トヨタ自動車」の配当利回りは3.3%に留まり、「日産自動車」の配当利回り7%が圧倒的に高いことが分かります。

配当利回りだけで見れば、日産自動車へ投資する旨味は十分ありそうです。

 

現在の株価水準は!?割安なのか?それとも割高なのか?投資するタイミングはいつなのか?

 

2019年5月24日、株価:740.6円(終値)

 

 

「株価の値上がり収益」を重視するキャピタルゲイン狙いの投資ではなく、今回は「配当金による継続的な収益」であるインカムゲインを目的とする投資を想定しています。

インカムゲインを目的とする投資は、長期的な目線が必要となるため、株式チャートは「5年」「10年」のチャートを使っていきます。

まずは、5年チャートを見ていくと、株価900円の安値ラインを割り込み、下落トレンドにあることが分かります。

5年チャートからは、900円の次の目安となる安値が分かりませんが、10年チャートから619円(2011年8月の安値)を目安とすることができます。

現在の株価740円なので、619円までの下落余地は、121円(ー16.3%)となります。

もし、過去10年間の安値水準まで株価が下落することを想定して、日産自動車へ投資する場合の許容損失は16.3%です。

1年あたり配当利回りは7%であるため、2年6ヶ月株式を保有すれば、配当収益は7%×2年6ヶ月=17.5%となります。

つまり、2年6ヶ月間、株価を保有すれば最安値圏まで株価が下落しても配当利回りによって、利益を確保することができます。さらに、その後発生する配当収益は、利益として資産を積み上げてくれることになります。

仮に、10年間株式を保有し続けた場合、7%×10年=70%と投資資産は1.7倍になります。

※株価下落や配当金に変更がなかった場合の試算です。

また、2019年5月24日、PER(株価収益率)は9.07%と基準値の15%と比較すると、ずいぶん割安となっています。

これは、日産自動車の収益が今後減少することを織り込んだ数値となりますが、割安水準にあることに変わりません。

日産自動車へ投資しても良いか?

 

日産自動車の株式へ投資すべきか?もしくは、投資を控えるべきか?

私なりの答えを出していきましょう。

結論は、今は投資を控えるべきですが、今後さらに株価が下落したタイミング(株価650円水準)で投資をすることを検討すべきです。

今、投資を控えるべき最も大きな理由は、株価が下落トレンドにあることです。

目安となる株価900円を割り込み、下落トレンドにある日産自動車の株価は、どこまで下落するか分かりません。

次の目安となる600円前半まで下落すると想定し、650円辺りまで株価が下落するのを待つ姿勢が、株価下落リスクを回避することに繋がります。

高配当銘柄となった日産自動車ですが、冷静にトレンドを見極め、株価下落リスクを回避した上で、投資していくことが必要となるでしょう。

もちろん、今投資を行い、長期保有による配当収益を手にすることも一つの選択肢となりますが、せめて時期をズラした分割投資が賢明と言えます。

今後、電気自動車や自動運転技術の普及が期待される自動車業界であり、タイミングを見極めて投資をすることができれば、配当利回りだけでなく、株価上昇による値上がり益も期待できるでしょう。

 

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